人は愛を求めて街へと出かける。
賑やかな通り、無数のネオン、交差する人々。
そのどこにも愛は見つからない。
目を凝らしても、手を伸ばしても、彼らの表情は虚ろだった。
愛のない場所をさまよう者は、
永遠に愛から疎外されている。
愛することもなく、愛されることもないまま、
地上のどこかで取り残されていく。
愛することと愛されることは相関している。
常に愛することが先行している。
ただ愛を待つ者にそれは訪れない。
為政者は愛の代わりに代理品を作りだした。
愛の不足を補うために彼らは国家を築いた。
そこにあるのは虚像だけだった。
彼らは本物の愛を見失っていった。
虚像と愛を取り違えた彼らは親子の情こそが愛だと思っていた。
利害で結ばれた関係を愛と取り違えていた。
期待と義務による重みに押し潰され、
本当の愛は育つことがなかった。
愛は見返りを求めない行為に基づく。
どれだけ地位と名誉で固められていても、
愛そのものがない限り幸福には繋がらない。
愛から疎外された者たちにも、太陽は等しく降り注ぐ。
その光も時には過酷であり、
乾いた心には恵みとならなかった。
それでも彼らは街を歩き続ける。
どこかに愛が見つかると期待しながら。
UUXさん。
お読みいただきありがとうございます。
私の作品をきっかけに考えを巡らせていただいたようで嬉しいです。