湖の上に雪が無常を受け入れながら積もっていた。
沈黙を破るカエルはいなかった。
雪は黒い斑点に侵されながら少女に降り注いだ。
青い瞳が深い水底を覗き込むように沈鬱になる。
風は繊細な指を否定しながら吹きわたった。
雪はますます黒くなり、あるとき紙幣に変わった。
この紙くずにより少女は買われゆく。
湖との別れにピアノの和音。
そして沈黙。
この眺めを見ながら、今日も調律師は狂ったピアノを矯正する。
猛った部屋には反逆のために白黒の静寂が訪れた。
夜が来て、否定の暴風が吹く。
少女は無常の空気をまとった海の底に沈む。
瞳はいつしか赤黒くなり、やがて一匹のカエルの斑点を染めた。
水の色は青く、ただどこまでも青かった。
けいとさん
こんにちは
ご無沙汰いたしました。
お変わりございませんでしょうか。
又けいとさんの素敵な詩を拝読できます事とても嬉しく思います。
「雪はますます黒くなり、あるとき紙幣に変わった。
この紙くずにより少女は買われゆく」
この二行にとても胸痛みました。
どうしようもない事情にせよ、それをどうする事も出来なかった私達は何をどうすればよかったのか、考えさせられました。
そして未熟なUUXではありますがこの詩を何回も読み直してみました。
こんな事にならない事を祈りながら…。
けいとさんの心の奥底にある優しさに触れさせて頂きました。
どうも、ご無沙汰しております。
今回もコメントいただきありがとうございます。
何回も読んでいただけなんて、嬉しく思います。
けいとさん、お久しぶりです。
理不尽や葛藤の中で、どうにか生きていくようなそんな息苦しさを感じるような詩でした。
けいとさん、こんばんは。
ピアノを愛していた少女の薄命の様を、美しい日本の自然美を背景に、繊細かつ痛切な思いを込めて描いた物語なのでしょうか。
また、少女を愛し、その哀れな運命を、愛だけでは変えることができなかった青年の無力感とともに、静謐なピアノの和音が、こちらまで響き渡って来るようです!
ゆめの