たった1色のワンルーム
オルゴールのサウンド
一命を取り留めた
枯渇した花瓶 造花は捨ててしまえ
毛布は少女の生を知る 温もりを覚える
左手は右手に恋してる 絡み溶かし祈禱
すしゅりと挿す
見舞いにと手折ったニ輪
簪の花 華 ほら
髪をさいて 耳あたりに留まる簪
やわらかに濡らす 生の燈 飽和する君
花嵐のフレンチカンカン 彼女に色彩を
脈を得ることは、もうできないけれど
何故か胸が高まって仕方がないんだ。
きみの名前はスミレだよ。
これは今はなき男が捧ぐ純恋歌だ。
たった2人のワンルーム
たった1人のワンルーム
桂矢さん、こんにちは。
学業、創作活動お疲れ様です。
( マイインプレッション置きます )
若い二人が共に生きることを、時代が許さなかったのでしょうか …..
それは身分なのか、生い立ちなのか、生きづらい世の中で、主人公が唯一見つけた光りが、美しい踊り子との出会いだった….
強く惹かれあいながらも、互いの中に、同じ悲哀があることを知り、たとえこの世界で結ばれなくとも、二人の愛が永遠だと信じ合った果てに選択したのは、心中だった!
「一命を取り留めた」少女の傍で、すでに臨死の主人公の魂が、少女の夢の中で、二人の思い出を巡るように、ありったけの愛情を捧げたのだ。
「きみの名前はスミレだよ。
これは今はなき男が捧ぐ純恋歌だ」と…..
悲恋の物語でありながら、ゴーストになっても、一人生き残った恋人の未来が幸せであるよう願う主人公の、その魂の純真さに触れて、涙があふれました。
ゆめの