カーテンのない部屋だから
そよ風も吹かなくて
ただひとつの安寧を求めて
四方が囲まれた壁に
背中を預けたりする
この部屋は僕に
出ていけとは言わないから
いつまでも動かずに
付けっぱなしのテレビが
ノイズの中で夢を見せている
綺麗な景色も
優しい恋人も
例え出会わなかったとしても
生きてはいける
何に負けたとか
ずっと分からないままで
誰のことも憎まずにいたい
固くなったご飯に
お茶をかけて
一気にすするけど
まだまだ時間はあるんだ
今日もきっと
誰とも話さずに
重たい扉の側で
鍵を握りしめている
100円ショップで買った
ドライバーの
回し方は知っていた
さっきから数センチ
右に歩いて決めたんだ
この部屋に飾るのは
僕の心臓だけでいい
螢さん
タイトルからいきなりゾクっと来ました!
監獄に収監された "僕"の、強がりまじりの寂しさが、ちょっとセツナイ。。。
リアルだったのか、フィクションなのか ...!?
青春映画の1シーンを見てるような、とても面白い詩でした!