三原色の連続は視聴者を惑わす
振鈴が微睡みを裂れ裂れにし
目を引く髪色の乙女数人は頭をあげる
装飾を施した題字の背景で瞬く星々は
教場の座席に対応し、陰陽道に従う
そんな出任せの仮説に片葉三の葉を模した印
籤により決定された座席さえ采配なら
彼女たちを待ち受ける運命は宿命か
木製の戸扉が軌条を滑り
はめ込まれた硝子が音を立てる
教場を静寂に沈めし
黄金色の毛髪をした女教師も
五芒星の一角を担う
手櫛で髪を整える気怠げな女教師は
窓付近まで歩みを進めると
無造作に窓掛けを開け放つ
朝の日差しは窓硝子を流れる滴を通し
玲瓏たる可視光線となった
光線は乙女たちが所有する鞄を貫き
手鏡に次々と反射し、文様を重ねていく
鏡中のしじま、眠る女戦士は式神を待つ
闇を祓いし百宝色の光芒…
鉄仮面の乙女は名乗り口上を呟いた
蒼穹で煌めく無数の星を視聴者は望めない
学校での授業という、一見ありきたりな題材を扱いながら、その独特の語彙や表現により、新鮮さや新しさを感じる作品だと思いました。
GREATです。
孤海 さま。
世界観が素晴らしいです。
それでいて、「視聴者」という言葉から、「あ、そういうことね」とわかるという仕掛け。
タイトルを見なくても、なるほど、と思いました。