甘い香りに ふらり誘われ迷い込むように裾を割る濡れた眼をした月夜烏焦れた実をその嘴で啄みながらまた 朝が来る羽根を一枚 残して発つそれを慈しむ私も知らないで軋む床 仄かに湿る褥窓から見下ろす空はあおく澄んでいた皮肉なくらいにどこまでも どこまでも
朝露に濡れたカラスが
焦れた実を啄みながら
黙っていても朝は容赦なくやってくるし空はずっと高くて青い
晴々しいのに切なさが香るのは
きっと作者さんがとても繊細な
機微を感じ取れる人なんだと
わたしは思います 情景が浮かぶ
とても良い詩でしたサンクス