サトウさんよ
おまえ病院で診てもらった方が
いいんじゃねえかな
オレなんかと笑顔で話する女子なんざ
おまえくらいだぞ
おまえ絶対アタマの中に
ウジがいるわ そうに違いない
おまえと話す時
オレはひどく緊張するんだな
まるで鷹と話してるような気分になる
オレはおまえのように
立派な脳みそも無ければ
整理整頓された目鼻髪口肩腰のくびれ足
おっπケツ
も備えていないんでね
見透かされないように必死なのさ
とうとうオレは
おまえの大事な部分を覗いちまった
オレはおまえを誤解していたようだ
オレはおまえっていう人間は
自分の血が何色なのかもご存知ねえくらいに
すべすべした人間なんだと思っていた
今日みたいな快晴の日には
ベートーヴェンでも聴いて
過ごすのかと思っていた
騙しやがったな
おまえ汚くて臭くてブサイクじゃんか
おい 手を離してくれよ
オレはおまえの卑しいほどに輝く翼に憧れていた
でも そうだよな
そんなでけえハネ邪魔だよな
いっそちぎって燃やしちまおう
初めてキミにボクの裸をみて欲しいと思った
ボクたちは背中で抱き合うべきだったんだ
鏡にはもうサヨナラしよう
ボクは海はキライだが
そうだな
キミに恋してるんだ
ボクに一緒に来て欲しい と
キミがそう望むのなら
どことも視えない深海の底へだって
沈んでいけるような気がします
コメント失礼します。
最初の、「サトウ」さんに呼びかけるオレのぶっきらぼうな喋り方が良いですね。
「卑しいほどに輝く羽」などの表現が秀逸でゾクッとしました。
恋している相手のためなら
嫌いな海も底にまで行ける、そんな心情に動かされました。