よく行く一畳ほどの雑貨屋へ行くと店の鍵をかけられて
声を上げて呼ぶと
顔見知りになった店のおばさんがごめんねと鍵を開ける
店から出ようとすると自宅の玄関に案内され
これから飼い犬を散歩させるおばさんは
「ほらね、ああやって、私は友達じゃないって態度するから私ももう関わらないのよ」
と少し向こうの集団を見た
僕はおばさんと一緒に行ってたはずが
その集団に紛れてしまい
僕から距離をとるように開けられた道を
誰とも関わらずに通り過ぎる
家に帰ると最近飼い出した犬と君が待っていて
その犬をケージに入れながら僕に言う
「この犬もいつか出て行くのかな」
それが動物の本能だよと思いながら
それは僕のことを言ってるんだなと分かりながら
次出ていったら戻らないだろう僕を予感しながら
僕は
僕の手を引く君に
「飼ってるんだから出て行くことはないでしょ」
と
笑顔で嘘をついた
Tom.tさん、こんにちは。
これは面白い!! 主人公の"僕"は、犬なんだね?! 飼い主 (君) と"僕" にまつわる暮らしと、それから心っていうか、僕らの魂と魂の交流が、なんともペーソスが効いてて味わい深かった! さすが、物語を創作してるTom.tさんの作風なのかしら笑顔