いつかの日出会った貴方のことを
私今でも覚えているの。
「どこかに行くの」
そう聞きかけてやめた。
悲しみを携えた顔を見て。
どうして、貴方
あのバス停にいたの?
どうして、貴方
私の隣に座ったの?
綺麗だった
ただ貴方は
綺麗だった
隣の私はただ見惚れていた。
綺麗だった
ただ貴方は
綺麗だった
泣き出したその横顔さえも。
そして、貴方は鳥になるのでしょう。
いつかの日出会った貴方のことを
私今でも忘れられないの。
「まだ行かないで」
言いかけてやめた。
憐れむように街を見下ろした。
どうして、貴方
花束を持っていたの?
どうして、貴方
私を見て笑ったの?
綺麗だった
ただ貴方は
綺麗だった
汚い私はそれを描きたかった。
綺麗だった
ただ貴方は
綺麗だった
醜い私を許しておくれ。
そして、貴方を言葉にするのでしょう。
もしも、私
何かできるならさせて。
もしも、私
声をかけたら何か変わったの?
綺麗だった
ただ貴方は
綺麗だった
私ひたすら恥ずかしくて
綺麗だった
ただ貴方は
綺麗だった
いっそ私の夢であっておくれ。。
二度と、貴方には会えないんでしょう。
そして、貴方は鳥になった。
ありがとうございます。
私が、そう、表現に拘り、創作に縋り生きているその根底を、前作に引き続き深い所に放り出しておいたそれを、読み解けて頂いたこと、驚きと感謝を感じます。以前よりコメントをお寄せいただき、非常に励みになっております。今後ともよろしくお願いします!
くだりさんへ
ガラスのように透明な美しさ、儚さを漂わす "貴方" と、 "私" との偶然の出会いは、そのいのちが、この世界に確かに存在したこと、"貴方"には無上の価値があった! という、その真実を、地球に刻み込むための、必然の出会いだったのではないかと、そう感ぜずにいられません!
いのちといのち、魂と魂の繋がりには、制限も、束縛も無い。 やがて鳥になり、新しい世界へ飛び立つ前に、綺麗だった "貴方" は、"私" に出会えたことを、きっと天に感謝したのでしょうか。 花束と投げかけてくれた微笑みが、そのあかし ....
作者 ( "私" ) が、今こうして詩を書く、いや書かざるを得ない人になった核心を、私はこの詩からも、前作『Whale Falls』からも見せてもらいました ....! YUMENOKENZI
下さん いいね!ありがとうです。
そして、貴方は鳥になる。を読ませて貰いました。
悲しみと寂しさの美しさを自分は感じました。
貴方が今は、手が届かない存在であり、
しかし心に占める大きさは大きい事が
飛び立とうとする鳥の大きな翼の映像として脳裏に広がりました。