トランペットが火を吹いた。
彼の音は7の70倍もの距離まで届く。
雲をつきぬけて宇宙空間にまで響いた。
宇宙に浮かぶ神々がその音を聞いた。
彼にはさらなる恵みがもたらされた。
恵みを受けた彼は道に向かってひとり走る。
片手に彼の分身を持ちながら、
誰もついて来れない高みへ登った。
世界の頂上から高らかになり響く音は、
孤独になった彼の慟哭のようだ。
彼の孤独を見かねた一人の神が、
彼に同じ歳のサックス奏者を与えた。
孤独から脱した彼は二人になり、
より遠くまで響く音を奏でた。
それを聞いた神々はさらに満足した。
神々が見守る限り、この世から音楽が消える日はないだろう。
けいとさんへ
いきなりの余談ですが ... けいとさんの最近の作品を読んでいると、こちらのメンバーの豊さんの詩の世界観と、どこか似ているのかなって何度か思いました! 共に、深い信仰心から自ずと生まれる詩たちなのかもしれません ...
"トランペットが火を吹いた" とは、なんてダイナミックな切り口でしょうか! その音色、響きは、天上の美しさ。これを奏する人間は、辛苦の青春を乗り越え、生きた主人公。
生命への無限の感謝を、心聖き友と共に奏で、音に込めているんだよと、そう詩は謳っているのでしょうか。
YUMENOKENZI