亡き人はいづれにかへる雁音の聞かなばたよるすべなきはたて * 花の色尽くしたるとも 音樂の美しき理由をしりそむることなく群衆の靴は橿の花邦絶ゆるともほころべ 衰亡へそむきてまつぶさなる枯芝に紛るすずめありて はかりがたきはなづきのうらに主題なき遍在の意義を問はば うちつけにやはらかきわたつみのいろ *ひとはみな絶えても序するあをぞらを亙る孤独へ名さへ残らず
nekodamasi666さん 突き刺さることば、やわらかい、やさしいことば、好きなことばたちが、たくさんあったので、作者の言わんとする本当の意味が分からなくても、これらを自分の世界に置き換えて、歌を味わいました。 私にとっての「亡き人」は、一度でも会って心を分かち合いたかった、でももう会えないある女流詩人さんを想っていました。
「花の色尽くしたるとも
音樂の美しき理由をしりそむることなく」
この歌は、その美しい音色が聞こえるようで、とても好きです。
「すずめ」「わたつみ」 その愛らしい姿が目に浮かびます。
「ひとはみな絶えても序するあをぞらを亙る孤独へ名さへ残らず」
これは... 私自身の生き方と重ねていました。
お返事が遅れてしまいまして、申し訳ございません。
季節も関与してか。抑鬱状態にて寝込んでおりました。
此れらは短歌か、それとも和歌か。中々に悩ましき問題を悩みつつ、認めさせて頂きました。
詩人の為す処の表現、歌人の為す処の表現の差異に躓きつつも、
何やらを掴み、何やらを失う様な、観念の段階にて、作を工ませていただきました結果では、ございますが。
稍、現代の感性からは縁遠いものと為って終ったようでもございまして、反省も頻りでございます。
今作に於きましては詩人を詩人たらしめる強靭な自意識、等を、抑えつつ。
言語の意味ではなく、音楽的側面を追求させて頂きました次第でございます。
幾許かでも、そこに心の様な。曰言い難い――時代遅れかも知れませんが――余韻を覚えて頂けましたなら、
心より嬉しく存じます。