かの人ら夢にまざまざ現れて夜に寝昼に寝見えぬ時なし
かのひとらゆめにまざまざあらはれてよにねひるにねみえぬときなし
夢の心運びつつ這ふ部屋の床光かげろひ明かしと思ふ
ゆめのしんはこびつつはふへやのゆかひかりかげろひあかしとおもふ
迫り来て我に物言ふ師の顔のまさに肉付き生くがに照れり
せまりきてわれにものいふしのかほのまさにししつきいくがにてれり
童の時分山の緑をくもらする小雨見しこと宿題の間に
このじぶんやまのみどりをくもらするこさめみしことしゅくだいのまに
火事起こり一棟没せし跡の地にひまはりの花一叢立てり
くゎじおこりひとむねぼっせしあとのちにひまはりのはなひとむらたてり
盆をどり我はをどらず輪の外で人のをどりに見惚れて居たり
ぼんをどりわれはをどらずわのそとでひとのをどりにみほれてゐたり
夏風に激しく回るかざぐるまありとある歴し月日の記憶
なつかぜにはげしくめぐるかざぐるまありとあるへしつきひのきおく