わたしの海へ。聞こえてますか。
あなたは今、どこにいるのでしょう。
空というよりも、この海の深い深い青にとけていそう。
はじめて私が覚えた色は、この、あなたの、海の、色だった。
運命みたいなものかもしれないね。
私の半分はあなた。あなたの半分は私。
あなたはどんな顔をしているの。
あなたはどんな声をしているの。
あなたの背はどのくらいだったの。
全て全て知り得ることはない。
わたしの海へ。
海を見る度、あなたを思い出す私のように、
どうか花を見る度に私を思い出してはくれないか。
この海にあなたがとけているのなら、
そっと親愛の口付けをするように。
あなたの場所に咲く花があるのなら、
そっと抱きしめてはくれないか。
「会いたい」
ただこの一言に尽きるよ。
私の心臓を、脳を、肺を、細胞を、
半分だけ持ってどこへも行かないでくれ。
羊の水に溺れる前に私の手を掴んでくれ。
川に流される花のように流されないでくれ。
あなたといたであろう10ヶ月程のみじかい間。
もちろんなにも覚えてないけれど、
あの温度にもう一度触れたい。
わたしの―――海へ。
天国のあなたに、どうか幸あれ。
あわねさんへ
う〜ん、衝撃的なストーリーですね! 繊細なテーマですが、あまりに美しく、巧みな文章に、唸らずにいられませんでした! さすが実力派の作家さんです!
「天国のあなたに、どうか幸あれ。」との、心震わす、あなたの詩の言葉たちと、真心が、"天国のあなた" へ、必ず届きますように!
生まれることが出来ないまま死んでしまった赤ちゃんを思うお母さんの悲しみと会いたいという気持ちがひしひしと伝わってきました。
十月十日ずっと一緒に過ごしていた赤ちゃんがいなくなってしまうのは悲しいですよね。
海や私の半分といった表現が、詩全体をロマンチックに演出していますね(. ❛ ᴗ ❛.)