ぼくは 輪を 見つめている
輪はぐるぐるして
遠心力で ぼくは ゆっくり はじかれた
輪は 笑顔のまま
何かを話しながら 遠のいていく
ぼくは空白になって
土管の上に座る
いつもそう
いつの間にか
いくつも
カラフルな輪ができているけれど
ぼくは どの輪にも いない
そうか ぼくは 人間ではないのかもしれない
だから 誰の言葉もわからない
ねえ そうでしょうお母さん
ぼくは 人間じゃないんでしょう?
ねえ 変な目をしないで答えてよ
なんとか言えよ この 糞婆あ!
赤い奇妙な動物が横たわる
そこへ 灰色の 無機質がやってくる
父親みたいな声で あわてて電話をかける
シノハラさん、こんばんは。
「わ」は、輪なんですね? 英語で「輪」を引いたら、いくつか語がありました。 「ring」「circle」「loop」「hoop」
"ぼく" が見つめてた「輪」は、初めどこかの工場の中の工作機械の工程の一つのようなループだったんだけど ...
詩は、いつしか "ぼく" をめぐる、いくつものサークルのエピソードになっていったんだね。 「輪」には、ほとんど悪い意味がないはずなんだけど、この詩を読んでいったら、少しね ... "ぼく" である、あなたのことが、なんだかとても気になったというか、まじ心配になっちゃったよ! 詩のフィクションって、自分は慣れてなくって ... 困ったなー。 シノハラさん、ぼくを助けてくれるかい? YUMENO