泣きそびれて白くなり
笑いながら陽を受けて―
小さな命だと それでも
自分から生きようとして―
朝の階(きざはし)が遠くから
私へと第一歩目を示す
段々と体温が高くなり
鼓動は風のように宙を切る
母の胎内での温もりを
今 鮮やかに思い出す
指先をペロリと舐めて
この穏やかな地図をなぞる
現在も続くこの苦しみを
貴女から受け渡された証しとして
今日も溌溂と前進してゆこう
それいかできなくて―いい?
風呂で涙を洗い 髪を洗い
独りぼっちの生活ではあるが
毎日を捨てたことは一度もない
それは貴女との誓いだったね
果てしない喜びがあるとすれば
それは貴女から生を享けたこと
この小さな笑顔はきっと
見守られていることの事実です
武中義人さんへ
穏やかな地図 .... それは、母と子の確かな絆が、ちゃんとここにあるよと教えてくれる唯一無二の宝物。
この母が居てくれたから、私 (作者) は、この世界に生まれ、今も、真っ直ぐに人としての道を生き抜いて来られた!
「果てしない喜びがあるとすれば
それは貴女から生を享けたこと」
海のように深い愛情で励まし育ててくれた母へ、作者の溢れる感謝の想いに、胸がいっぱいになりました!
ゆめの