私の脳は既に変形してしまった熱に弱いキャンディのよう一日中耳からイヤホンを垂らし、ヴァーチャル・インサニティを聴きながらこの捻くれたキャンディをさらに低温でじっくりと溶かすざんばらな髪を気にも止めず洗面所の鏡に映る顔はひどく浮腫んでいる裸眼は見たくないものを適度にぼかしリビングの冷たい壁は何の予定もない私を良しと受け入れる
脳をキャンディと例えていたり、
変形していたり、私は読んでいて、八十八ヶ所巡礼を思い出しました。
低温で溶かすってのも、いいですね。
実際、どれだけで脳が溶けるのかを僕は知る由もないですが、脳がどれだけ弱いものなのか、それに頼る人間の弱さなんかも表現していて、とても良い詩ですね。
裸眼は見たくないものをぼかすってところもまた、おしゃれで好きです。