今にも切れてしまいそうな糸
周りにいくつかあるようだ
昔は沢山の糸が周りにあった
妄想で出来た操り糸に操られ
手に持つ鋏は糸を断ち切る
後悔はなかった
目には複雑に絡んで
解けないように見えたから
操り糸は静かに溶けた
暖かな糸に溶かされて
指先に儚く纏うは
切れかけた脆い糸
言の葉を音に乗せ
文字に宿らせ届けると
糸の持ち主に伝わり
魔法で糸は修復される
指先に纏う色んな糸
不可視で暖かな熱がある
昔は糸が鎖のようだった
でも今は違うと分かる
星が零れ落ちた穴
暖かい新たな糸が
寄り集まり瓶の底を
塞いでくれたから
糸は奈落の底に心奪われ
独り落ちぬように
引き止める命綱だと
今になって理解した
気づけて良かった
すぅさん
色んな糸に喩えてうたった絆が、かけがえのないものだったと、今気付くことができた、あなたのいのちが、とても瑞々しい! 今作もまた、心が洗われました... 大好きな素敵な詩です! ゆめの
すぅさん、こんばんわ。
自分と他人、もしくは物事を繋ぐものって、普段は煩わしく感じるのかも知れないですね。
でももしそれを断ち切ってしまったら、取り返しのつかない後悔することもある。
一方繋いだままだとしても、早く断ち切ってしまえば良かったと思うこともある。
どっちが正しいかは、その時は決して分からないけれど、決して早まってはいけないということを
最終段を読んで強く思いました。本当に一本一本が命綱なのかも知れません。
すぅ様。
糸は、切っても切れぬものであり、切って切れると、困るものであると、そういう思いを、読者にまで思わせるような、鮮やかな詩でした。
いつもなら「この詩に出会えて〜」と締める所ですが、すぅ様と繋がれたこの細く数奇な糸に感謝を込めて、この言葉に致します。
この詩を生み出した貴方に出会えて、光栄でした。