畑の胡瓜に水をまく
用水路からジョウロで汲んで
根元の土にたっぷりとやる
細い竹でこしらえた支柱に
つるを伸ばして
小指ほどの大きさの実は
黄緑色に育っている
熱中症にならぬよう
水分補給のたびに
口からこぼれた水が
金属のボトルをつたい土に滴る
筒のなかで氷がカラカラと鳴る
立ったまま日差しを浴び
水を飲み干す時に
全てのいのちを育んだ
青黒い海を想う
いのちの火を輝かすために
テロメアにさだめられた
人の身体を変えていく仕組み
蒸発し
循環する水のように
夏の日の光は流れ
この身体をつたう
突然の
再会のような夕立の後に
涼しさが訪れ
雨宿りした納屋の軒下
タオルで髪を拭きながら
作業の苦労を微笑む
最近、毎年、庭でたくさんの朝顔を育てています。土づくりから準備するのは大変だけど、毎朝の花を見るが楽しみでその苦労も笑顔に変わる。この詩はそんな気持ちをうたっているのでしょうね。