「ぼらと彼」 第一章
彼は今日も釣り糸に何本も針がついた釣り竿をもって河口へ向かった。
そしてもって来た釣り竿で河口に向かって糸をなげおろした。そんな中で私達は優雅に泳いでいたが、私は不覚にもその釣り針にひっかかってしまった。あわててもがいているうちに彼はその釣り竿を力いっぱい持ちあげたものだから、私の体もその竿と一緒に空中に吊り上げられてしまった。 急に吊り上げられた私の目は今どうなっているのかさえ分からず、ただもがいてはみたけれどどうにもならずただ疲れてしまうだけだった。彼はそんな私を丁寧に針から外すと、痛かったねというようにそっと彼の横に置いてあった小さな水槽の中に私をいれた。 その水は私が今まで泳いでいた水と全く同じ味のする水だったが、今まで自由に泳ぎまわれた所とは違って、見渡す限り刑務所の塀のように高くて、小さな私にはどうしようもなく閉塞感が押し寄せてきた。
しばらくすると彼はその水槽を車に乗せて自宅へと向かった。私は目の回るような揺れる水の中で、どうする事も出来ずにいた。
きっとこれは私が泳ぎながら見ている夢ではなかと水槽の中で目を閉じてみた。彼は自宅につくと車から水槽を下ろし私を覗き込んた。
ああ生きていてよかったという顔はまるで自分の子供に話しかけるように優しかった。
しばらくすると私は今よりも大きな水槽に移し変えられた。そこは運ばれてきた水槽より大きくて、すこし息をするのに楽にはなったが、それでもそこも少し広い刑務所の塀の中と同じだった。かれは弱り切っている私をとても心配そうに暫らく覗き込んでいたが、やがてどこかへ行ってしまった。
UUXさん、偉そうなコメントを書いているけれど~釣りの経験がゼロで知識はスーパーの魚の名前も?が出るくらいなんですよ^^;だから物語を読んでいる時は、ディズニーのニモをイメージして読んでいました。
クロエさんのコメントを読んでいると、ボラってニモみたいに可愛い魚じゃないのかもですね。イメージを壊したくないので検索するのは止めておきますね。
UUXさん物語は書き始められたら半分以上、書き終わったようなものって言葉が有るらしいから大丈夫だよ。書き始めた「ぼらと彼」の物語が面白そうだもん。マイペースで更新して、楽しみに待ってるからね。