top of page

物語

公開·12 メンバー
クロエ
Smiles of Comments
歓喜の人Song of Joy

 桜の丘の物語



やわらかな春の陽射しの中で


桜におおわれた丘の上


つむじ風がくるくるとポルカを舞う


薄紅色の可憐な花がその舞に魅せられ


小枝を揺らしてステップを踏む


さあ一緒に踊ろう つむじ風が声をかけた


花びらはためらいも無く枝を離れ


二人はキラキラ輝きながら空を舞った


つむじ風は幸せで 踊りに夢中で


花びらがするりと腕の中から抜けた


冬の名残のように吹雪く花 花 花


つむじ風は駆け回りその花びらを捜した


声を限りに呼び続けた


じゅうたんの様に丘を染める花 花 花


たった一人を探すのは不可能だった


つむじ風は何度も何度も丘の上を駆け回り


でもその時小さな声が彼を呼び止めた


つむじ風はくるくると花びらの周りを駆け


彼女を再び大空へ抱き上げた


つむじ風は花びらをしっかりと抱き留め


高く高く どこまでもどこまでも


やがて二人は大空へ消えていった


春風達は皆それを見ていた


彼らはそれぞれに可愛いパートナーを見つけ


二人の後を追う様に一斉に空に舞った




その日 西の空に


小さな小さな でもとても綺麗な


夕焼けが見えた

YUMENOKENZI
雪影
雪影
Sep 11

クロエさん今回の物語も素敵ですね。

雪影さん、どの辺が素敵だと思って貰えました。

そうですね、奇麗な夕焼けを小さな小さなと表現してる所かな。

いきなり最後の部分に触れます。もっと褒め言葉を下さいよ~。

アハハハ・・・クロエさんも欲しがりですね。私、好きな物から食べるタイプなんで~ただ奇麗な夕焼けと書かずに「小さな小さな」との表現が風と花びらが舞う風景を見ている人だけの分の夕焼けと感じれて心に残ったんですよね。

なるほど雪影さんは、一人分の夕焼けと捉えて貰ったんですね。それで・・・

そそそれで・・・風に舞う桜花をリアルな感じを残しながらファンタジーに表現されてる所が身近な事を言葉にしている私に無理なく受け入れられた事が心地良かったかな。

これ以上、困らせるのは男としてどうかと思うので終わりたいと思います。いつも物語に対するコメント有難う御座います。

いえいえ、心が温まる物語を投稿して頂き嬉しく思っています。次回の物語も心待ちにしていますので宜しくお願いします。

クロエさんを勝手にイメージして書いてしまいました。新たな試み・フィクション物として寛大な気持ちで読んで許して頂ければ幸いです。

Like

物語グループについて

物語グループへようこそ! ☆月と詩人のメンバーが創る物語に興味がある方、物語を書くことに挑戦してみたい方、いいね!やコメ...

メンバー

bottom of page