桜の丘の物語
やわらかな春の陽射しの中で
桜におおわれた丘の上
つむじ風がくるくるとポルカを舞う
薄紅色の可憐な花がその舞に魅せられ
小枝を揺らしてステップを踏む
さあ一緒に踊ろう つむじ風が声をかけた
花びらはためらいも無く枝を離れ
二人はキラキラ輝きながら空を舞った
つむじ風は幸せで 踊りに夢中で
花びらがするりと腕の中から抜けた
冬の名残のように吹雪く花 花 花
つむじ風は駆け回りその花びらを捜した
声を限りに呼び続けた
じゅうたんの様に丘を染める花 花 花
たった一人を探すのは不可能だった
つむじ風は何度も何度も丘の上を駆け回り
でもその時小さな声が彼を呼び止めた
つむじ風はくるくると花びらの周りを駆け
彼女を再び大空へ抱き上げた
つむじ風は花びらをしっかりと抱き留め
高く高く どこまでもどこまでも
やがて二人は大空へ消えていった
春風達は皆それを見ていた
彼らはそれぞれに可愛いパートナーを見つけ
二人の後を追う様に一斉に空に舞った
その日 西の空に
小さな小さな でもとても綺麗な
夕焼けが見えた
クロエさん今回の物語も素敵ですね。
雪影さん、どの辺が素敵だと思って貰えました。
そうですね、奇麗な夕焼けを小さな小さなと表現してる所かな。
いきなり最後の部分に触れます。もっと褒め言葉を下さいよ~。
アハハハ・・・クロエさんも欲しがりですね。私、好きな物から食べるタイプなんで~ただ奇麗な夕焼けと書かずに「小さな小さな」との表現が風と花びらが舞う風景を見ている人だけの分の夕焼けと感じれて心に残ったんですよね。
なるほど雪影さんは、一人分の夕焼けと捉えて貰ったんですね。それで・・・
そそそれで・・・風に舞う桜花をリアルな感じを残しながらファンタジーに表現されてる所が身近な事を言葉にしている私に無理なく受け入れられた事が心地良かったかな。
これ以上、困らせるのは男としてどうかと思うので終わりたいと思います。いつも物語に対するコメント有難う御座います。
いえいえ、心が温まる物語を投稿して頂き嬉しく思っています。次回の物語も心待ちにしていますので宜しくお願いします。
クロエさんを勝手にイメージして書いてしまいました。新たな試み・フィクション物として寛大な気持ちで読んで許して頂ければ幸いです。