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物語

公開·12 メンバー
すぅ
Knight of Comments
慈悲の泉Spring of Mercy

虚実の境界

〜クラスメイトの正体と揺らぐ現実〜


※注意書き※


本作は実際の人物団体とは一切関係ありません。同時に内容が重い、ホラー要素、学校に関する病む要素が含まれているので、大変恐縮ではございますが予めご了承いただいたうえで読まれることを個人的におすすめします。


心の準備は整いましたでしょうか?


苦手な方は読まずに戻ってください。


大丈夫ですね?……承知しました。


それでは【虚実の境界】

〜クラスメイトの正体と揺らぐ現実〜


斎藤さんと私は休憩時間に入るタイミングを見計らって二人で教室に戻る。


歩きながら彼は私にアドバイスをしてくれた。

「やる気になったのは良いことだが、今までずっと避けていたことをするから、話しかける寸前で恐怖を感じて固まることもあるだろうが、その時は俺がフォローするから安心して挑戦すればいい。駄目な時はまた考えようぜ。」


私は彼に向かって頷いて既に手汗をかいていたけれど、

「ありがとう。凄く助かるよ。今の状態のままで居たくないから私頑張る。」


「あぁ、頑張れよ。大船に乗ったつもりで居てくれたらいいぜ。必ず何とかなるからよ。」

彼はこちらを見て笑いかけてくれた。


そうして教室に入ると、クラスメイト達の視線がこちらへ一斉に向くのを感じた。


その瞬間、本能的な恐怖と共に

一瞬目眩を感じたけれど耐えて

彼等の元へと足を一歩ずつ踏み出して

震える手を握りしめながら前へと進む。


そうして、クラスメイトのうち

一人の前に立つと前を向いて

震える声でぎこちなくも話しかける。

「あ、あの……ちょっといいかな。

聞きたいことがあって、あのね皆の視線を教室にいると良く感じて何故なのか訳を教えて欲しくて。私の気のせいだったら本当に申し訳ないんだけど教えてくれないかな?」


「……。」

クラスメイトから、返事が帰って来ない。

いきなり過ぎたかなと不安になって、手の震えと心臓の鼓動が激しくなる。


後ろから足音が聞こえてビクリと肩を震わせる。斎藤くんが助け舟を出してくれたようだ。

「夢野さん震えているけど大丈夫かよ?話中に悪いな。今日からクラスメイトになる斎藤だ。宜しくな。話しかけてるんだから返事してやったらどうだ?」


「……。」

クラスメイトから返事が帰って来ない。

この至近距離で声が聞こえない訳が無いし

初日の転校生を無視するのも考えづらい。


斎藤さんと二人で顔を見合わせて

目の前の人物の顔をしっかり見て

あることに気づく。



……人間じゃない。これ、人によく似たロボットだ。



得体のしれない恐怖が背中を走り、

斎藤さんに向かって私は声をかける。

「さ、斎藤さん。クラスメイト、いつからかは分からないけど人間じゃない!!人そっくりにできたロボットだよ!!」


彼は目の前のロボットを見つめた後

少し青ざめて緊張が走った表情でこちらを見る。

「……あぁ、これは流石にヤベェな。よく見たら他のクラスメイトも全員そうみたいだな……。俺もこのパターンは流石に想定してなかった。教室の前に立った時も騒がしくないから妙だと思ったがロボットとは思わねぇよ……。」


彼の言葉を聞いて私は頷き混乱して耐えきれず叫ぶ。

「だよね、余りにも不気味すぎて震えが止まらないよ。本当だ。みんなロボットだったみたい……学校の教室が1人以外全員ロボットとか絶対おかしいよ!!」


彼は私の両肩に手をおいて、

落ち着くようにゆっくり話しかける。 

「夢野さん、気持ちはよく分かるし今までの状態から一歩踏み出した後で混乱するのも無理はない。でも今は乗り越えるために一旦落ち着こう。深呼吸できるか?息を吐くことに意識を向けて俺に合わせてやってみてくれ。」


私は半分パニックを起こしながらも、彼の言葉に合わせてどうにか深呼吸を繰り返す。何度か繰り返すうちにようやく安定してきた。


「斎藤さん……ありがとう。取り敢えず何とか落ち着いたみたいだよ。」

落ち着いてくるとボロボロ涙が止まらなくなりながらも彼にお礼を言った。


「こんな非常事態だ泣くのも無理はない。取り敢えず、泣きながらで悪いけど現状把握とどうすべきか考えようぜ。」

彼はこまったように腕を組みながら、真剣に考えはじめていた。


「わ、分かった。そうしよう。取り敢えず、クラスメイトが一斉にこっち向いたり視線が不気味だったりしたのは、ロボットだったから?」


私が彼に向かって尋ねると

神妙そうに頷いて

「あぁ、まず間違いないな。それだけじゃなく、夢野さんの方を定期的に向くようにと音声を流すようにプログラミングされていたんだろう。質悪い。」


私は驚いて彼に向かって尋ねる。

「斎藤さん、誰が一体何のために!?いつから??」


「俺にも流石に分からねぇ。でも、取り敢えず学校から脱出しようぜ。この学校は明らかに変だ。」

彼は私から目を逸らしたあと私を見て言う。


私は彼の方を向いて頷く。

「取り敢えず学校の外に出て助けを呼ぼう。まずは教室を出よう。」


私と斎藤さんはクラスメイトから離れようとした次の瞬間。



ロボット達がこちらを一斉に見て

ニヤリと笑った後、バラバラになって

更に砂へと変わる。



「……!!?!!」

私は咄嗟に後ろに飛び退くと

目を見開いて驚いて叫べなくなっていた。


「夢野さん、どうした!?」

先に扉に向かっていた斎藤さんが

驚いて私に声をかける。


「斎藤さん!!あ、あれ、見てよ。ロボットが笑って崩れて砂になった!!ありえないよ!?」

私は砂を指差し叫ぶ。


「……!?!?……本当だ全部砂になってやがる。さっきからこの教室マジでどうなってやがる。流石に頭痛くなってくるな……。」

斎藤さんがその光景を見て頭を抱えている。


「訳が分からないよ……私達何に巻き込まれて?えっ??」

私がそう言った瞬間



空間がぐにゃりと曲がり、目を開けると斎藤さんとあの視聴覚室にいた。



続く


〜作者よりお知らせ〜

みなさん、こんばんは。

この場で物語グループでの更新及び

皆様へのコメントが遅延しがちな件につきましてお詫び申し上げます。


理由ですが、最近ずっと作者の精神面が不調でありまして回復と改善に注力していた為です。説明が遅れまして申し訳ございません。


今後も不調により遅延する可能性がございますが、完結させようと思います。コメントについても順次いたしますので宜しくお願いします。


ちなみに物語は三分の一を越えて、

謎を解くパートと更にその先のお話で

構成されています。回復しながら進めてまいります。


スマホの不具合か分かりませんが

コメント欄の使用が何故かできず

代わりに投稿でのお知らせとしました。


私事で申し訳ございません。

以上、宜しくお願いします。

ピー吉
雪影
西川 晋之介
YUMENOKENZI
雪影
雪影
28 août

すぅさん 大丈夫?精神的な不調なんだね。横に座って話しを聞いてあげれれば良いんだけど無理な事を書いても仕方ないけど、此処で書いて楽に成れるなら書いてみたら?翼にとっての影には成れないかもだけれど少しでも楽に成ると思ったら書いてみて。決して無理はしないで下さい。

物語の方では、斎藤さんが変わらずに頼もしくて夢野さんがピンチに成っても、斎藤さんが居るものって安心して読んでいる自分が居ます。

展開の方は、クラスメイト達がロボットだったり砂と成って崩れたり目まぐるしくて凄い!そんな展開の中でも斎藤さん優しさと頼もしさが感じれて、やっぱり私の斎藤さんは最高と感じてます。やっぱり謎の根源は視聴覚室に有るのかな~謎も気になるんですが~斎藤さんの活躍が楽しみです。

辛くてしんどい時は休んでも良いし、意味も無く言葉を綴って気持ちのモヤモヤを発散しても良いと思う。すぅさんのモヤモヤ発散に微力だけど付き合うよ。やっぱり元気なすぅさんが好きだもん。頑張らなくて良いからね、独りで頑張っちゃダメだからね!顔は見えないけれど皆も傍に居るからね。

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