四角い月(6)
(月の真の姿)
月が持つ真の姿の秘密・私がかぐや姫の血を引く人間・謎は深まる一方で出口の無い迷宮的思考!
「解った!」自力では抜け出せないし、抜け出せないと非日常的な事からも解放されないなら月城の中二病世界に付き合って月城を納得させるしかないと腹をくくった。
「じゃ~月の真の姿から説明してくれる。言っとくけど日本語で言ってよ!」
少し含み笑いを浮かべながら月城は、日本語で月に付いて話しを始めた。
「月が四角でない事の説明は必要ないよね。」男は少しふざけたが、私の無反応な顔を見て話しを先へと進めた。
「月の表面に有るクレーターは、月と衝突した彗星や隕石の跡だという説明も不要だと思うけれど、問題は月と衝突した彗星・隕石に有るんだよ。」
「彗星や隕石なら地球にも落ちているじゃない。月だけに起こった事じゃないでしょう!」
「確かに彗星や隕石は地球にも落ちているけれど、この太陽系で月にしか落ちなかった イヤ 月に向かって落ちた彗星が有ったんだよ。」
「月に向かって?まるで彗星が月を選んで落ちた様な言い方をしてない?!」
「流石、かぐやの血を引く者だ、話しが早い。勿論、月と衝突した彗星や隕石が全て月に向かって来たとは言わないけれど、たった一つ月に向かって来た彗星が有ったんだ。」
私に向かって流石とか話しが早いとか言って来るけれど、私的には
全然、話しが見えてこないまま月城の話しを黙って聞く事にした。
「それは、意志を持つ鉱物を核とした彗星だったんだ。その意志とは、鉱物の為の鉱物による惑星を造る事だったんだよ。」「何故、意志を持つ彗星が月に向かって来たかと言うと、目的の惑星地球を月が自らが同じ面で観測・監視が出来て、自転している地球も好都合で自分の目的に使えそうな生物も進化条件を備えていたからだ。」「そこで目を付けられた生物が人類だった。人類も他の哺乳類と変わらない進化を進めていたが、月としては成り行きの進化では問題が多すぎるので、人類の二足歩行から手で道具を使う進化の上で、生存の為の貯え欲求を増幅させ生きてゆくのに必要以上の収穫を得ても満足出来ない本能的な進化も付け足した。」「その頃から月に強く影響を受けた人類とそうでない人類個体差は有ったが地球環境に影響を及ぼす要因的個体差は見られなかった。・・・」どこかで聞いた大統領のフレーズ風に月読の事を得意顔で言うけれど、全く理解出来なかった。
「ゴメンなさい、月と意志を持つ彗星が衝突したらしいけど~それと私がかぐや姫の血を引く事と何の関係が有るんですか?それに科学的な事に興味無くて全然、頭に入って来ないんですけど。」
月城は、私と自分との温度差に失望と困惑の中で「月は、地球を月と同じ環境にしようとしているんだ!」と少し投げやりにいった。
それでも腑に落ちない様子の私に月城は、「月にとっては地球が青い星では都合が悪いから、人類を操って地球の自然を破壊し月と同じ環境の惑星にしようとしているんだ。」「そして月に強く影響受けているのが月読と呼ばれている。自分たちの祖先なんだよ!」どうだと言わんばかりに私を睨む月城の顔が何故か滑稽で笑ってしまったが、何となく理解が追い付いて来た。
私は月に操られている人間の子孫らしい、それは、かぐや姫と何らかの関係が有り…うん?もしかして私は、地球の自然環境を破壊しないと駄目で、月城は私に地球の破壊工作をさせに来たって事?
「ちょっと待って!私は、地球環境破壊なんかに手を貸せませんからね!」と叫んでしまっていた。
私の叫び声に、周りの人達が集まって来た。
「月城さん、どうした?大丈夫かい?あんたは説明が下手だから、また自分達が地球侵略者みたいな事を言ったんじゃないのかい。」と少し頭部が薄目の男の人が声を発した。
気まずそうな月城に代わりに、その男が話しを始めた。
こんばんは、雪影さん
怪異課・月城憲治・・おもしろいキャラクターですね。
物語を書いていると、いつの間にかキャラクターが勝手に話し出して、私はそれを書き留める役割になっています。
私がセリフを考えるよりも、その方がおもしろいので、キャラクターを見守っています。
月城の代わりの「その男」・・どんな人物なのか?「月訛り」で話すのか・・。
ぶっ飛んでください。