鈍色(にびいろ)の朝
(短編)
それは今にも雨の降りだしそうな朝の事だった。
ぼくの魂はいつものように寝ぼけた体を抜け出し外へ出てみた、鈍色の空はきまり悪そうにそっぽを向いているから、こんな日は近くで散歩がいいかな、そう思った魂は裏通りを抜け土手へと歩いて行った。
彼を見つけたすずめたちが飛んで来たので、魂は準備していたパンくずをすずめたちにあげながら土手の道をゆらゆら進んで行った、ここはね車も来ないから散歩にはちょうどいいんだよ、所々に転がる犬のうんちさえ気を付ければね。
気が付くとパンくずはもう底をついていた、でもお腹を空かせたすずめたちは魂をつついて催促するんだ、その内にすずめたちは彼を食べ始めた、ちょっとくすぐったいけど痛くもないので好きにさせていた、すると魂はどんどん小さくなって、ついにはすずめほどになったんだ、さすがにかわいそうに思ったんだろうね、すずめたちは食べるのをやめて樫の木の天辺で歌い始めた、魂は嬉しくなって一緒に歌いながら部屋に帰ったんだ。
ところがね、体を着ようとするときついんだよ、体は、どうしてそんなに太ったんだ、とブツブツ文句を言いながら魂を包み込んだ。
幸せが太らせるのかな、そうだとしたら明日の朝はもっと太ってみよう、魂はわくわくしながら思いを巡らせていた。
するとね、またろくでもない事を考えてる、魂の性格をよく知ってる体がぼそりとつぶやいたんだ。
こんばんは。
雀は今絶滅危惧種に指定されそうな状態だと聞きます、確かに私が雀を保護したころは窓辺の餌台に数十匹の雀が餌を食べに来ていて、朝雀の囀りで目をさまず程でした、それに比べると今は寂しく思うくらい少なくなりましたね。
UUXさんにそう言われて、楽しい雀の詩を思い出しました。また改めて投稿します。UUXさんにはぜひ読んで頂きたい詩です。