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物語

公開·12 メンバー
クロエ
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歓喜の人Song of Joy

初恋


 第二話 キャンプの夜


 僕が交際を申し込んだ娘は、千綾涼子と言い、僕と同じ文芸部の一年生だった。


 千綾さんと会う約束の無いまま夏休みに入り、僕は彼女と同じクラスの後輩を呼び出してクラスの名簿を見せてもらった、そしてそこにある彼女の住所を訪ねる決心をした。

 彼女の家は比較的学校から近く、徒歩通学の範囲だった、いきなりだとは思ったが制服姿で訪ねたら同じ高校の生徒だと分かるから、不審がられないだろう、そう思い学生服姿で訪ねた、彼女の家は古い農家の作りだったが農業はしていない様だった。

 彼女の母親は年頃の娘を男の子が訪ねて来た事に少し慌てた様子だったが、僕を縁側に案内しながら「涼子ちゃん、お友達が訪ねて来てるわよ」そう言って奥へ戻った、すぐに彼女が出てくると「先輩、よく家分かりましたね」と開口一番笑いながら言った「広畑に聞いたんだ」「そうか、広畑君バンドやってるから知り合いなんだ」そんな話をしていると彼女の母親がお盆に西瓜を載せて持ってきた「冷えてるから冷たいうちに食べてね」そう言って僕の横に西瓜を置くとそのままそこに座り込んだ、僕は親世代の人と話すのはそれほど苦にしないので、クラブの様子や、詩の事について色々と話した、たぶん彼女より母親と話してる方が多かったと思う、「ちょっと川を見に行きませんか」突然彼女がそう提案してきた「神社の丘から見ると川が綺麗なの、自転車だと直ぐだから」僕たちは早速自転車で出かけた。

 神社の境内は小高い丘の上に在った。


 丘に着くと「お母さんおしゃべりでしょ」と聞いて来た「そうだね、でも別に嫌じゃないから、先生以外で年上の女性と話すのは久しぶりだけど面白かったよ」そう答えると「お母さん、継母なの、私のお母さんの妹なのよ、お母さんが死んでから炊事などを手伝ってくれてて、そのまま父が再婚したの、弟はまだ馴染んでなくて叔母さんって呼んでるけど」いきなり彼女の心の奥を覗き見たようで少し戸惑ったが、でも何か彼女が少し近い存在に思えてうれしかった。


 それから僕達は時々会う約束をした、課外授業や、夏休み中の修学旅行、卒業記念に行うバンド演奏のけいこなどで結構忙しい夏休みだった、そして夏休みの終わりには恒例のクラブのキャンプがあり、ここでぼくはまた彼女の新たな一面を知ることになる。

 キャンプの夜、みんなで近くの露天風呂へ、男たちは見張り番で小屋の周りを固める、ただし小屋から二十メートル以内に近づいてはいけなかった、女たちは時々戸の隙間から男たちの位置を確認してる様だった。


 バンガローに戻って皆でそれぞれの寝場所を確保すると、誰かが持ってきた碁盤で五目並べを始めた、勝ち抜き戦で負けた者は入れ替わる、彼女とも対戦したが二度とも僕の勝ちだった、三度目の対戦の時も負けてしまった彼女は次の番の人に「お願い。代わって、このままじゃ悔しくて眠れない」そう頼んでいた、彼女が負けず嫌いな性格だと言う事をこの時初めて知った、頼まれた子は「いいわよ好きなだけやんなさい、でも岩井さん強すぎるから何度やっても勝てないわよ」そう言うと自分の寝場所に移動して横になった。 

 それからと言うもの、だれもが遠慮して僕と彼女だけの対戦になった、五回以上彼女と戦ったが、わざと負けるのは彼女に失礼な気がして僕は勝ち続けた、彼女は「どうして勝てないの」と言って悔しそうにしていたが最後は勝負抜きの解説になっていた、その頃は見学してた者も皆眠ってしまって、僕達の寝場所がなくなっていた、仕方なく二人壁に寄りかかって座ったまま寝たが、彼女の小さな肩が触れていて寝息まで聞こえ、僕はとても眠れる状態ではなかった。

UUX
UUX
6 日前

クロエさん こんにちは


それにしても彼女の家まで来てと言われないのにいっちゃったんですか!!!


キャンプって楽しいですね。うんうんわかりますよ (´ ᴗ`✿)



UUX達は女子高でしたし夏休みはキャンプや課外授業などなかったのでまじめに?いや卓球部の部活でしごかれていてデイトなどの話どころではありませんでした。

しかも1年の時は半年素振りだけの練習でしたからね。

そのかいあってサーブのカーブだけで相手を攻め抜いた事もありましたよ

(#^.^#);

でも遠くの方の為の分校があって3年生の時は本校の夜学へ来ることになっていて私達の机の引き出しで男子の人と手紙の交換をして、それを昼間みんなでみせあってわいわいと騒いでいましたよ。

近くに男子高校があったのですが、先生方が頑固で内緒で仲良し数人組で文化祭をみにいったらばれてしまって職員室に呼び出されてお説教をもらった事もありましたね。

所でその後は…(*^。^*)…楽しみですね。

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