とある操り人形の物語(1)
〜序章〜
私は操り人形。操られて芸を舞台で披露してお客さまと、主様を喜ばせるためにお父様の手によって作られたのよ。
ねえ、見て見て!私が主様に従って踊ると お客様が楽しそうに笑ってくれるの。 主様もどこか誇らしげで嬉しいわ。 私この時間がとっても大好きなの。
従っていたら、喜んでくれる大好きな主様、お客様が笑ってくれるから私は今日も舞台で舞い踊る。
自由自在に動くことは出来ないけれど 愛する人に操って貰える私は幸せなお人形だわ。
主様と私はいろんな舞台で芸を見せて 街を転々として二人きりで楽しい時を過ごしているの。
だけど、月日が経つにつれ主様の顔から笑顔が消えて、私たちに会いに来てくれた人達もいつの間にか少なくなってしまった。
それが長く続くと主様は お酒を沢山飲むようになって、 怒りっぽくなったり、 夜に泣いたりするようになったの。
私を操る練習を沢山していっぱい声をかけてくれていたのに気づけばなくなってしまって、最近は私と目を合わせてくれない。
(ねえねえ、主様どうか泣かないで? どんなに辛いときでも私がそばにいるわ。 だから、前みたいに笑ってみせて?)
私は主様にそう言いたかった。だけど私はただの操り人形。動くことはできなかったの。
その時私は人間だったなら、手を伸ばして主様の涙をぬぐって励まして差し上げられたのにと初めて自分が操り人形で自由自在に動けないことを悲しく思ったわ。
酔った主様は私に久しぶりに近づくと 涙を溢しながら私に何が起きたのか教えてくれた。そしてこれからのことを。
今、気が付きました。
もう物語を公開されてたんですね!
人形からの目線で人形を操ってる人間の描写まで伝わって来て凄いと思います。
人形劇で生計を立ててる人と人形の物語かな?面白そうな物語なので遅ればせながら読んで行きたいと思います。