とある操り人形の物語(5)
〜第4章 少年の告白と
操り人形の気づき〜
驚き不思議に思いながら固まっていると少年は続けて語ります。
「あのお店にいたっていうことは、操り師のお兄さんは、君を訳あって手放したってことだよね?
ということは、君は僕といつか離ればなれになるのではと、不安に思ってるんじゃないかな?
だからね、それは無いから安心してねって、どうしても君に伝えたかったんだ。
それにね、君は僕の特別なんだよ? だって君は、僕が好きになった初めてのお人形さんなんだから。
そんな君が僕の手元にきてくれて本当に嬉しいんだ。これからよろしくね!」
キラキラした笑みで微笑みかけてくれる少年を見て、私は本当に嬉しくて仕方がありませんでした。
操り人形の私を動かしてくれて、ただのお人形さんになっても側にいてくれる。好きでいてくれる。そんな少年に出会えた私は本当に幸せなお人形です。
前の主様が私を踊らせて、いろんな場所で私を見せてくれた。人形店に売ってくれたから私はこの少年と出会えた。
二人の主様に出会えた私は本当に幸運だったことにようやく気がつきました。
うふふふ・・・私が思った通り、二人はラブラブの新婚さんみたい。もう君の事を何が有っても離さないよって抱きしめてる少年の姿が浮かびました。このままハッピーエンドでお願いします~。