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物語

公開·12 メンバー
雪影
天空の雪Heavenly Snow

四角い月(7)


(真・竹取物語)

「貴女が思っている事とは逆で、自分たちは月の意志に逆らおうとする者の集まりなんです。」と静かに話し始め、私の知りたかった私とかぐや姫との関係に付いても教えてくれる事となった。

「私達、月読の人間も血が薄くなるにつれて月からの影響を受け難くなっており、本能的な所で月が送る思念を実行する人間が居りして地球環境破壊は止まらないのが現実なのですがね。」と不甲斐無さそうに言った。

「とは言っても私達も月の意思に逆らっていると露わに出来ないので、月を崇める行事として定期的に集まり月を仰ぎ意志を確認する振る舞いを月観測と称して行っているのです。」「ただ月城さんからも聞かれたかと思いますが、かぐや姫の血を引く者が集まりに参加した記録が無く、行動も我々と異なり月からの指示を受けてではなく自己意志で活動している所が強く感じられて月読の伝えにも異端としてしるされています。」「そんな異端として言い伝えの有るかぐや姫の血を引く者が、今回の月観測に参加すると聞き集まる人数が多く成ったのです。」「何も知らされていない貴女には、不快極まりない視線と言動と成ったかもしれませんが、暫し我慢して私たちの話しに耳を傾けて欲しいのです。」

男は話しを一旦止めて、私が自分の申し出を受け入れる時間を作る様に視線を私から逸らせるように月を眺めていた。

自分が想像していた様な恐ろしい状況に成りそうに無い事が頭の中で整理が付き始めたので、私から話しを続ける切っ掛けを作る事にした。

「そのかぐや姫の血を引くのが私だと言われるのですね。」

私の言葉に安堵の表情を隠そうともせずに男は話しを再開した。

「そうです。かぐや姫の系列が月の意志を一番受けており、他の月読と違い血の薄れにも影響を受けずに行動力においても一番と伝えられています。」

「そう言われても自覚も実感も湧いて来ないので、詳しく教えて貰えますか?」

「解りました。」では月読に伝わる「竹取物語」の真の伝説を話さねばなりませが、「真・竹取物語」の話しをする前に月読に付いて少し話しをしましょう。

そもそも、月読は月の神として伝えられて来ましたが、他の神に比べると文献等において資料が極めて少ないのです。

それは、月読に関わる話しが実在する人間が元に成っているからです。月読と呼ばれた人間は、太陽の紫外線を浴びると肌が爛れる病を患っており、夜にしか活動出来ない上に間違って日に当たって肌が爛れ様なものなら、それは外見からも日頃の行動からも不気味がられたそうです。その不気味さが強くイメージに残り月読は、神でなく幽霊や妖怪などとして記される文献が多く残る様に成ったと聞いています。有名なのが、海外の月を見て狼に変身する狼男や夜に美女の生き血を吸い日光で灰となるドラキュラなどです。日本でも夜に出る幽霊や妖怪として禍々しく伝えられています。その病も血の薄れと共に影を潜めたようですがね。イメージは、そう簡単に払拭される事無く根強く残っています。

そして、かぐや姫も例外でなく月の影響を強く受ける月読の人間で有ったのですが、彼女は月の人と称えられる程の美女で、彼女の持つ美貌がお伽話となって言い伝えられる事となったそうです。絶世の美女である彼女を娶ろうと豪族たちが彼女に夜な夜な求婚をし、求婚する男達にかぐや姫は世界の秘宝を持って来いと告げる所までは、子供の頃に聞いた「かぐや姫」の物語と同じなのですが、月読の間で伝わる物語では求婚をする豪族達にかぐや姫が求めたものは、秘宝ではなくて核爆弾を造るのに必要な素材だったと伝わっています。

「え~~~」と思わず声を出して話しを止めてしまったが、話しを進めて欲しいと手を差し伸べ促した。

先に言った様に月読の中でも、かぐや姫は誰よりも月の思念を強く受け誰よりも具体的に行動を起こしていたと思われます。しかし、当時の日本には素材が有っても核爆弾を造る化学力も発想もなく、核爆弾の素材を手にしも次に進めない日本にかぐや姫は嘆いて、満月の夜に船で日本を離れて行ったそうです。そして「竹取物語」は、かぐや姫を失った豪族たちが諦める為に残したお伽話だと伝わっています。また、「かぐや姫」は「化学姫」と呼ばれていて、それが「かぐや姫」と変わったと言う説も有るらしいですが真意は明らかでは無いですがね。

「そんな言い伝えを聞かされて、かぐや姫の系列に対して自分達は警戒を強めていたのです。」「ただ貴女は、我々の集会に参加し私の話しを最後まで聞いてくれた。月城さんが言う様に貴女がかぐや姫の血を引く者なら、私達が持っているイメージと違い戸惑いを感じていますがね。」と男は話し終えた。

気まずそうにしていた月城が「・・・」自分も同じ事を言いたかったのだと主張していた様子だけれど全く話の内容は入って来なかった。

ムー
ピー吉
わじま
YUMENOKENZI
クロエ
クロエ
Aug 27

こんにちは。


 この物語はまだ続きそうなので完結したら感想を書かせていただきます、ただ私も頭がこんがらがっています(WW)。

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