(はじめに)
この物語は、私の物語「鍵」を読んだ夫が逆の展開の物語の書き方も有るのではないかと言ってきた。私の逆の展開とは?の疑問に対して、夫が説明してくれたのですが解り難いから具体的に書いての言葉に応えて書いてくれた物語です。夫はコップに水を入れているだけの面白くも無い物語だと言っています。確かにコップに水を入れていますが、それだけの物語に思えなかったので本人の許可を得て、グループで公開します。読んでみてコップに水を入れているだけの物語か感想を聞かせて貰えればえれば嬉しいです。宜しくお願いします。
物語コップ
世界は静から動へと移り変わっていった。動の副作用で時間が流れ始めた。時間の流れは動に加速を齎(もたら)した。加速を伴った動の世界は神と称される者によっても止める事が叶わぬものと成った。気の遠くなる時間の流れの中で動は知を生み出した。知は、水を好む物・土を好む物・移動を欲す物・移動を拒み根を張る物の全てに等しく備わった。動の世界は、やがて選別を始めた。後に弱肉強食と言われるシステムだが、それほど確固たるものでは無かった。各々(おのおの)の動が仲間を増やしたいが為の同属の中での選別であった。動は種別的な選別を始めた。数に特化・力に特化と選別により動の個性が際立ち、やがて空を好む動が現れ、そして選別に知の特化を選択する動が現れた。知を特化させた動は、動なる世界で静を造り始めた。動の世界で静は、過去の遺物かと思われたが、知を特化させた動を揺るぎない位置に置くに十分な要素であった。言えば道具だが他の動を攻撃する物でなかった。それは器だった、器に名前など無いのでコップと呼ぶ事にしよう。知の動の中にコップに水を入れる動が現れた。それを見ていた動達が驚嘆した。手で持てなかった水を手で持つ事が出来た事に。水を注ぐ動はコップに水が満たされ溢れそうに成っても注ぐのを止めなかった。溢れ出る水は、やがて新たな力を生み出した。その力を感じて動達は、水を注ぐ動を天才と崇めたが、水を注ぐ動は自らを狂だと主張した。やがてコップは大きく更に大きくと造り替えられ、注がれる水の量も増やされ漲る力も大きなものとなった。やがて大きな力は、世界をも壊さんばかりに膨大となり、知の動達は力を持て余し困り果てて神に頼み込んだ。世界が動へと変わり時が流れ始めた時点で神に世界を止める事は出来なく成っていた。いつまでも水を注ぎ続けているのは自分達なのに、知を強化した動達は、それに気付く事無く神に祈り続けるのだろうか?世界崩壊へと導く水を注ぐ動を天才と崇めながらコップは今でも大きな物へと造り替えられている。
(終わり)
(あとがき)
読んで頂き有難う御座います。コップに水を入れているだけの物語だと感じられましたか?私はコップに水を入れるだけで、これだけの事が表現出来るのかと思いました。夫は物語「鍵」と違ってタイトルのアイテムを物語の最後の方まで出さずに物語を進める方法を説明する物語で面白くないと思うと言っていましたが、身内だからか私は面白い物語だと思ったので公開しようと思いました。何じゃこりゃと思われたら、無駄な時間を取らせたことをお詫びします。
夫は読んだ後の苦情に対して責任を持たないと言っていますが、コメントを頂ければ夫にも伝えます。出来れば物語コップを参考にして、次の物語を考えたいと思っています。書けた時には読んで貰えたら光栄です。
作品「煙草」をアップしました。作品の中でも書いていますが、トントンと煙草を叩くのは癖ではなかったんですね。缶入りピースのイメージはそうです。濃い青に白い鳥のマークハトだったんですね。そっか平和のピースか~。
結構、タールとニコチン量が多い煙草だったんですね。クロエさんも煙草を吸ってたんですね。