とある操り人形の物語(3)
〜第2章〜主様との別れと出会い
その日はかつて旅をしていた時のように 主様が私を腕に乗せて外の世界を見せてくれました。嬉しいのに切なくて哀しくて仕方がありません。
カランと人形店の扉が開くと主様は店主に私を渡してお金を受け取りました。「それじゃあな。いい人に買って貰うんだよ。」 そう言って主様は私の髪を 昔みたいに優しく撫でると涙を溢して去っていきました。
私は引き留めたかった。あなたと離れたくない。ずっと一緒にいたい。でも、お人形の私は何もできませんでした。
主様が去ったあと、店主様が私を綺麗に手入れしてお店の棚に他のお人形さん達と一緒に飾ってくれました。
お店にきて私たちを見て楽しそうに笑う子供たちをみると、かつて主様と旅をしていた楽しかったあの頃が思い出されて、悲しくて寂しくて なにも考えたくはありませんでした。
周りにいるのは新しく作られたばかりの 美しいお人形さんたち。やって来る人は手入れして貰った私ではなく、そのお人形さん達を気に入って買っていきました。
私の頭を優しく撫でて語りかけてくれる人は壊れる日まで来ないのかしら?そんなことを考えながら私は毎日をやり過ごしていました。
とても天気の良いある日のこと、カランと音を立てて一人の男の子がやって来まし た。
その子は店内を見回して私を見つけるとにこっと無邪気に笑いかけてくれたのです。
私の勘違いで隣の子に微笑みかけたに 違いないだなんて、ドキドキする胸を押さえるようにいつもの場所に座っていました。
その子は店主様に私を近くで見たいと言いました。
私は久しぶりに定位置から外れて、その子の手に抱えられました。
うん~素敵な展開ですね。
シンデレラが舞踏会で自分はダンスに誘われないだろうと思っている情景と王子がシンデレラに手を差し伸べてダンスに誘う情景が目に浮かびました。
この後の展開が気になりますが、じっくりと味わいたいので時間が有る時に先を読みたいと思います。すぅさん 大変だと思うのでコメントの返信は無理しなで下さい。もし読んで貰えたらリアクションだけお願いして良いですか。