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フォーラム記事

みつい るか
2024年12月03日
In 詩
岸壁の海へ後ろ向きで落ちていきたいと思った 冷たい貴方には夏がお似合いだと口にした 夏の海だから綺麗に感じたのか 貴方の手を握って心音を感じた すると、私の肋が軋んだ音がした 冬の早朝の様な貴方に、毛布を掛けてあげたかった そうしたら、またここで手を握ってくれるだろうか 気霜が私の視界を覆って、手先の冷たさを自覚した それを、氷を溶かすようにゆっくり温めてくれたなら 沈んで腐敗した貴方を纏う空気が、貴方に彩りを与えた 西へ沈む太陽が、青い小果実を照らしたように。 燦爛たる貴方が、青い春を謳歌したように。 お腹を空かせた貴方が、水面下へ沈んでいくというならば 私は息を吐いて、水鏡に映る貴方を見つめるでしょう 水面下で貴方と目があったら、貴方に息をあげる もう一度浮かべるように。 貴方に、小さな幸福が訪れるように。 青い小果実の様な貴方から、裏切りの匂いがした 水中でピアノの音色が深く聞こえるように。 貴方の声も遠く感じた 熟して落ちて腐る運命の果実と 成長していく貴方を重ねたの 庭の花の蕾が実った様な幸福を 枯れ葉が散りゆく様な刹那を 貴方に、小さな幸福が実るように。
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