坊や アタイのこと 好きなのかい?
や だって さっきからずーっと
見てるじゃァないか
鏡玉越しでね 気づいてないと思ったかい
ひひ それもそうか アタイ綺麗だもんねェ
でも残念な知らせじゃ
アンタみたいな緑豆に 興味はないよ
アタイは 安売り品じゃァないのさ
それにほら アタイの体も濁ってきちまった
どんどん黒に染まってきちまってる
もう長くは持たんね
さァ 早く帰った 帰った
ん 坊や
なんだいそれ 撮影機って奴じゃァ………
勝手にしろ ほれ 一枚撮るがいい
満足したか ふ それは重畳
見ろ 煙管の煙も 濃くなってきてるじゃろ
緑豆餓鬼は帰れ ってこったァ
また 来ればいい その日を待ってやるよ
松上桂矢さんへ
(マイ インプレッション)
ぴいぴんぐ とむ ( Peeping Tom ) ...
小説の中の、ある娼婦の生き様を彷彿とさせるような物語でした!
全編が、主人公の語りかけの言葉たちだ ...
彼女は、擦り切れて、疲れかけ始めた体から、一人の少年に向かって投げかけた、その声に、「アタイ」のプライドと、命のかぎりを振り絞ったのだ!
「アタイ」は、性に興味を抱き始める頃の、未だ大人でない魂を、やさしく抱きしめたかった!
守りたかった!
そう思えば思うほど、彼女の言葉は汚くなり、少年を遠ざけていった。
もう昔の頃のような恋に戻ることがない、この女性の中に私は、母性愛と、そして言いようのない寂しさを垣間見た気がしました!
ゆめの