top of page
輝く星たちの作品へようこそ!
さあ、あなたの詩を引っさげて コミュニティに参加しよう
コメントで交流しよう
みんなの詩に感想を送る人を 月と詩人は 最大限に大切にし、顕彰いたします!

詩投稿・公開

公開·158 月と詩人メンバー

けいと
けいと

Core of Comments

愛と情熱の詩人

Passionate

三が滅びゆく






「三」は滅んだ。


奇数であり続けることを拒否した。


偶数を目指す過程で消滅した。



「三」は非偶数となったに過ぎなかった。


さらなる願望を成就することはできなかった。



「三」は「二」に対抗する意識をもっていた。


「二」が無限に分け与えられる力を持つと思っていた。


自分は奇数としての矛盾を抱えていると感じていた。


偶数を目指したのはそのためだった。


彼はたしかに「二」と対立するものだった。


結局「二」と同じものにはなれなかった。



彼はあるいは「六」にはなれたかもしれない。


倍数である「六」は彼の興味を惹かなかった。


あくまで「二」を目指した彼は偶数になることに失敗した。



彼が三である自分を切り離そうとした瞬間、彼は形を失い空虚と化した。



「三」はあくまで「三」でありそれ以上でもそれ以下でもなかった。


彼がこの事実を受け入れることができていたら、滅びることはなかっただろう。








閲覧数:506
nao
4月26日

けいと様、初めまして。naoといいます。とてもこの詩に惹かれました。人の思いを数字で表現される感性が素敵だなと思いました。三は偶数になりたかった。孤独ではない、わければ増え続けられる偶数に。六は偶数だけど二も三もある。唯一無二の二にあこがれたのかなと。一も唯一無二だけど孤高、それは寂しいのかと。いろいろ考えました。三は市井の私たちを表現しているのかなと思いました。

bottom of page