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詩投稿・公開

公開·157 月と詩人メンバー

如月 朔
如月 朔

化け物

あの人は化け物です。常にハキハキと喋り周りを笑かしている。

あの人は化け物です。口角は下がること無く背筋は天に引っ張られ続けている。


ある日誰かが「気味が悪い」とあの人に言いました。私にはこの人も化け物に見えました。

その場はしんとして誰一人言葉を発しませんでした。擁護も、同調も、非難も、憤怒もありません。

ちょっと気まずくなり「言い過ぎでないの」と発してみたら、あの人がこちらをちらと見、その場から出ていきました。あの人は終始、化け物でありました。


気にかかりあの人を追いかけました。あの人は、泣いていました。人間のように、それでもどこか化け物じみた静かな涙です。「君が泣かしたんだよ。」あの人は天に見放された背で、コロンと言いました。ただ顔は、笑っていました。柔い日射しのような顔に私も涙が込み上げて来て、「それは、悪いことだったかしら?」と答えながら、そっと、あの人に寄り添いました。

化けの皮が剥がれたあの人は、血が流れているだけの歪な人形でした。

閲覧数:337
如月 朔
如月 朔
26 abr

ゆめのさん、コメントありがとうございます!

人に傷つけられるのも救われるのもほんの一瞬の言葉だったりすることが残酷なようで気楽なようにも感じる事が多々あります。

化け物にも化け物なりの考えがあるんだろうなと、一瞬の寄り添いが少しでも相手の安らぎになったら良いなと思います。

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